126社落ち就活生のブログ

14卒の就活生が経験したこと。反面教師にでもしてください。文具業界やオフィス家具業界を中心に就活しましたが、大学職員に落ち着きました。

就活生の皆様へ : 126社落ちの元就活生より

お久しぶりです。最後の更新が2月とはなんとも情けないものです。いかがお過ごしでしょうか。

 

突然で申し訳ないのですが、この記事をもって最終更新とし、何日か後にブログ自体を消させていただきます。

 

いままで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。とにかく失敗続きだった自分の就活の体験が、ほんの少しでもお役に立てたのならば、こんなうれしいことはありません。あまり役に立たないだろうと思いつつ書いていたブログが、思いのほかたくさんの方に読んでいただき、メッセージなどもいただけました。それだけでも自分はよい経験ができたのだなと再確認することができました。

 

ブログをやめる理由としては、自分の仕事も2年目となり熱が入ってきたこと。就活解禁が12月から4月になり知識がついていかなくなったこと。自分の経験談はおおかた書き尽くしたことなどが挙げられます。

ブログは残しておいてもよいかとも思いましたが、学生時代から続けているこのブログを消すことで、自分の中で社会人としてケジメをつけたいと考えたためです。ご了承ください。

 

 

 

 

 

最後に少しだけ、書きたかったことを書かせていただきます。

 

学生と社会人の違いとはなにか

これは就活で誰もが一度は問われる質問です。僕は就活中に納得がいく答えを見つけられず、働き出しても考えていました。大学職員として学生の近くにいる以上、考えざるを得ないことでもありました。

結局、2年目になった今現在の僕でもこの質問の答えは明確ではありません。ただ少しだけ思うことは、「時間の捉え方」が異なるのでは、ということです。

 

学生の時の「時間」は、ほぼ一日が自分の所有物です。どの時間に起き、大学へ行き、食事をし、バイトをするか。それは自分が決めることです。自分の能力や体力を考慮し時間を配分する。それが可能なのが学生です。

でも社会人は違います。始業時間と就業時間が決められ、その間は制服(スーツ)を着て働く。昼食の時間も決まっていて、その時間内で物事を済まさねばならない。自分の時間は会社の所有物になります。会議の時間や締切に合わせて体調管理をする必要があります。

つまり学生の頃は「自分→時間」であったのが、社会人は「時間→自分」になります。時間のほうが優位になり、それに縛られることになる。この立場の逆転こそが学生と社会人の違いではないか、と考えるようになりました。

 

 

朝、自分の時間を会社に預け、夜に返してもらう。次に時間を会社に預けるまで、それは変幻自在な道具になります。遊び道具にもなれば勉強道具にもなる。食糧にも布団にもなる。学生の時は空気の様にぼんやりとしか捉えられなかった時間が、明確に道具として認識できるようになる。この意識の変化が、「学生と社会人の違い」だと今のところ考えるわけです。

 

 

 

僕はこの質問をGDでやるたびにうんざりしていました。でもようやく自分の中で納得できたような気がします。2年遅かったですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の最後に。

僕は相変わらず大学職員を続けています。大学っていうのは面白い場所で、教育機関でもあれば研究機関でもあり、株式会社でもあるようないろんな顔を持った存在です。学生の皆さんは「大学と言えば教育機関」と真っ先に考えると思います。それは当然正しいのですが、実はいろんな人を相手にいろんなことをやってたりします。それこそ把握しきれないくらいに。大変ですが社会的な役割を考えると、なんだかすごいことやってるんだなーと思える仕事だったりします。

でもくれぐれも「事務室のオバチャンはいつも態度悪いし暇そう。あんな人でも出来るんだから大学職員はラクな仕事」とは思わないでください。そう考えちゃうと、それこそ表面でしか大学を見られなくなります。もっと人目に付かない大学の仕事を探ることで、大学職員という仕事に理解が深まるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

およそ3年続けた126社落ち就活生のブログは以上となります。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。読者様の就活・就職の成功を心より願っております。

 

京葉太

ビックサイトに行くだけが合同説明会ではない。という話

お久しぶりです。まだまだ寒いですが梅の木は着々と花を開かせています。確実に春に向かっているという実感が感じられる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

16年卒から就職活動が3月スタートとなり、その目前とあって思い悩む学生も多いと思います。いくら悩んだって時間は経過していきますし、うだうだ考えるよりは開き直って就活をスタートしたほうが気が楽かと思います。

 

 

そんななかで始まっていくのが「合同説明会」。就活と言えばコレが思い浮かぶ人もいるんじゃないでしょうか。広いイベントスペースにブースが立ち並び、真っ黒なスーツを着た若人が列をなして説明を受けている。もはやハロウィンやクリスマスと並んで風物詩化したようなこのイベントがいよいよ始まるわけです。

 

リクナビマイナビを見ていると、どんどん合同説明会の情報が入ってくると思います。僕は関東在住なので、コミケでおなじみ東京ビックサイトや神奈川のパシフィコ横浜といった巨大なイベント会場で開催された合説に参加しました。「就活ってこんなもんなのか~」という雰囲気がよく分かるイベントでした。有意義かどうかはともかく、この時に感じた敵の多さの感覚は、その後の就活でも役に立ったものでした。

 

 

みなさんも今後合説の案内がたくさん舞い込んでくるものと思いますが、ここで僕から少しだけ言っておきたいことが、「合説はそんな規模の大きいものばかりではない」ということです。

 

 (画像はhttp://matome.naver.jp/odai/2138686324932807601より拝借)

 

 

合説と聞くと、広大なスペースに100社以上の企業がブースを出している、そんなイメージがあると思います。

もちろんそれは間違いではなく実際に存在します。ただ、そのような合説はマイナビリクナビが開催しているもので、言ってしまえば人気企業しかブースを出せない「一般向け合説」です。どこもかしこも名前の聞いたことがある有名企業ばかり。もちろん入社できることならしたいですが、競争率も桁違い。就活以前に椅子の奪い合いから始めなければなりません。

 

 

就活の初期段階ではこのような合説に参加するのはよいと思います。僕も、必死に参加していました。しかし時が経つにつれ「これは採用にはつながらない。エンターテインメントでしかない」と感じるようになりました。

こんな有名企業しか出展しない、競争率の高い合説は結局採用までつながらない。ただ仕事の話を聞くだけで、そんなのネットで見りゃ分かるよ。といった具合に、本当に意味があるのか疑問をぬぐえなくなりました。

 

 

そこでおススメしたいのが「大学限定の合同説明会」と「大学内合同説明会」の二つです。

大学限定の合同説明会とは、例えば「A大学・B大学・C大学の学生のみ参加可能」といったように、対象が限定されている合説です。ここに出展する企業は、その大学からの採用を前提にしているため、競争率はそこまで高くない。一方で聞いたことがないような企業も数多く参加します。「名前知ってる企業が参加しないから行かなくていいや」というのは、ちょっともったいないのではないでしょうか。あなたが知っている企業は、おそらくほとんどの学生も知っています。そんな競争率が高いところ狙いでは、NNTの危険もある。すこしばかし興味を持って、いろんな企業に触れてみてはどうでしょう。

 

大学内説明会とは、例えば「A大学の学生のみ参加可能」というようにさらに条件が絞られた合説です。競争率は低いですし、なにより採用活動に直結しやすい。僕も何度か参加しましたが、その場で直接面接の予定を決めたり、簡易版ESの提出をしたりと、非常に企業と距離が近いのが特徴です。ガツガツ行けば、名前を覚えてもらえるかもしれません。大学によって異なりますが、かなりの頻度で行われる場合が多いようです。

 

 

 

これらの合説は、基本的にネットよりも大学の就職課で探した方が見つかりやすいはずです。こまめに就職課に向かい、掲示板なり配布物なりを漁ることが確実でしょう。

 

僕は暇さえあれば就職課に行って情報収集していました。「就活は情報戦」とはよく言ったもので、本当に有益なことはネットではなかなか見つからないんだなぁと実感した場所でした。

 

 

 

 

 

 

 

【追記】

 他にも、商工会議所の主催や自治体の開催する合同説明会もあります。リクナビとかはどうしても肌に合わない人や、出展企業に恣意的な物を感じる人はこういった堅実な情報も探してみてください。

 

大卒等就職情報WEB提供サービス - 大卒等就職情報WEB提供サービストップ(学生・既卒者メニュー)

これは厚生労働省が提供している採用情報のポータルサイトです。全国で開催される採用イベントの情報も充実してます。結局、こういうところの情報が最終的に一番良かったりするものです。

 

 

 

 

 

SHIROBAKOに見る「自分は何がしたいのか」の苦悩について

お久しぶりです。ここ最近は多忙でブログを更新する気力もありませんでしたが、昨日でようやく仕事納めを迎え、最初の1年を無事に終えたので多少の落ち着きを取り戻しました。
 
忙しい中でもアニメのチェックは欠かさない僕ですが、最近はすっかり「SHIROBAKO」の魅力に取り憑かれてしまいました。アニメという仕事を通して成長していく登場人物は、同じく仕事に精一杯取り組む若手の社会人にも響くものがあると思います。
 
特に主人公の宮森あおいは、年齢は違えど僕と同じ社会人1年目なので、その有能さに嫉妬しつつも、同じような苦悩を抱き、必死に社会人として生きていこうと振舞っていることに共感を持ってたりします。
 
あまりこのブログでアニメの話題を出し過ぎるのもどうかと思ったのですが、SHIROBAKOの10話と11話を見て、我慢しきれず文章を書いてしまいました。
 
 
SHIROBAKOは、アニメの制作現場を時にリアルに、時に面白おかしく表現したアニメですが、主人公の宮森あおいを中心とした若手たちの仕事を通した成長物語でもあります。そんな物語の中で、あおいがずっと模索していた「働く上での目標」が強くテーマに表れたのが10話・11話でした。
 
 
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10話の前半は仕事を通してベテランとふれあい、仕事に対する考え方を教えられる場面がメインでした。いまやるべき仕事を片付けことで精一杯なあおいにとって、10年後20年後にどのような仕事をしているか。また何を得ているのか皆目見当もつかない状況でベテランのアドバイスは強く響いたものだと思います。
「続けていれば面白さが出てくる。やりがいも生まれてくる」ということを教えられて、抱いていたモヤモヤが晴れたような様子でした。
 
 
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しかしその後、後輩が同じように仕事で目標が見えず、やりたくもない仕事を続けることに意味があるのかと相談されます。
ここにいる4人はそれぞれ職種も異なれば状況も違いますが、全員がおなじように将来に対して不安を抱いています。「今の仕事を続けてていいのか」「何を目標にすればいいのか」という不安を必死で噛み殺している状況が見えてきます。
あおいは後輩に対し、仕事に対する目標を見つけ出すことが重要だと主張しました。これはあおい自身、目標が見つけられないことの不安があったためでしょう。
 
その後、後輩は勤めていたCG制作会社を退職しました。後輩が先に目標に向かって行動したことを知り、あおいの苦悩は増す一方であったはずです。深く考えることをやめ、とりあえず目の前の仕事に集中しようとします。
 
 
 
 
 
11話では、あおいの就活生時代の様子が描かれています。僕も思わず目をそらしてしまうほど、面接のシーンはかなりリアルな様子でした。(あおい以外は、テンプレ的な就活生イメージの人間でしたが)
 
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ここでもやはり、将来に対する目標、つまり「この仕事を通してどのような人間になりたいか」が全くわからないために、苦悩するあおいの姿があります。ウソでもいいから言ってしまえばいいものを、言えないところがあおいらしいという気がします。
 
 
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面接官に「将来についてもう一度よく考えた方がいい」とアドバイスをされ、結局お祈りをされてしまうあおい。姉からも「前途に希望が持てない若人の姿」と言われてしまいます。
このような経緯があったからこそ、自分のやりたいこと、自分の将来設計について人一倍敏感になっていることが分かります。
 
 
 
 
 
正直な所、将来の目標が明確で、それに正確にたどり着ける仕事をしている新人がいったいどれほどいるのか、というのが僕の感想です。たぶん、そんなに大多数ではないと思います。あおいが抱く苦悩はごく普通のものであり、誰しもが平然な顔をしながら、その不安を押し殺しているはずです。
就活本には「仕事を通してどのような人間になりたいかを考えろ」と書かれています。あくまで仕事は目標ではなく自己実現のための踏み台にすぎない。仕事に就くのではなく仕事の先のことを考えろと平然と言ってきます。
 
正直、たかが20代前半の人間がそこまで考えられるのか甚だ疑問です。「とりあえず何か仕事をして、その仕事の中で目標を見つけ出せ」なら分かります。でも面接官が聞いてくるのは「この仕事を通しての目標」。そんなの、仕事をやってみないと言えるわけがない。
 
就活生の多くはここで悩むと思います。「自分はなにがしたいのか」という疑問が永遠とつきまとう。でも、あおいがそうであるように(僕もそうですが)いざ仕事をしてみても「なにがしたい」なんて簡単に見つかるもんじゃない。むしろ日々の仕事に忙殺されて、いつのまにか答えを見つけることもやめてしまう状況になっていく。
 
あおいは「何がしたいのか」を見いだせずとりあえずアニメの仕事をして、まわりの人々に影響を受けながら答えを探しています。しかし答えを見つけ出すのは容易ではなく、悩み悶える日々が永遠のように続く。しかしベテランの言葉にあるように続けていれば必ず面白さ、やりがいが見つかってくる。ここにあおいは希望を託しているような気がします。
僕も、地味な事務作業を続ける毎日で、悩むことは多いです。これが自分のやりたかったことであるかと言われれば違うと言わざるをえない。しかし仕事は仕事。やりたいとかやりたくないとかではなくやらねばならない。だったらこの仕事の中で目標を決めるしか選択肢はない。それを考えて、ようやく最初の1年が終わりを迎えます。
 
 ですから、就活生この答えを探している方は、深く考えすぎて哲学めいた答えにならないようにしてほしいと思います。結局働き出したって分からないものは分からない。だったら、とりあえず選り好みしないでやってみるのも1つの手段である、と。
 
 
 
今後、あおいがどのような答えを見つけ出すか楽しみです。SHIROBAKOは2クールなので、まだまだ注目ですね。
 
 
 
 
 
 
 (画像はhttp://otanews.livedoor.biz/からお借りしました)
 
 
 
 
 
 
 

「どんなに小さな会社でもいいからこの業界で働きたい」と考える就活生へ ~大学職員編2~

お久しぶりです。めっきり寒くなり出勤中に体調を悪くしがちな毎日を過ごしています。いかがお過ごしでしょうか。

 

「どんなに小さな会社でもいいからこの業界で働きたい」と考える就活生へ ~大学職員編~ - 126社落ち就活生のブログ

 

今回はこれの続きのようなものです。前回では概念的なことしか述べていなかったので、もうちょっと具体的なことについて書いてみたいと思います。

 

 

 

大学職員という職業は、あまり求人が多くないことがよく知られています。実際、大きな大学では数十人の採用もありますが、僕が様々な大学を受けた感覚としては採用人数は5人程度が普通でないかと思います。1人だけの採用も結構あります。

 

 

人数だけ見ると狭き門なのは明らかですが、これをどう捉えるかは人によるものです。僕は製造業を中心に就活をしていたので5人程度の採用でも「こんなもんかぁ」と思えたのですが、銀行や保険業を中心に就活をしていた人にとっては「こんなに少ないの!?」と思うはずです。だから異常に狭き門として考えてしまう。他業種の平均採用人数を大体把握してると、無駄に焦ることはなくなると思います。

 

 

 

 

 

さて、僕は生まれてこのかたずっと関東で生活しているため、関東以外の地域にどのような大学があるかについてはほとんど知りません。関東なら「早慶上智・GMARCH日東駒専大東亜帝国…」と語呂合わせで大学を言えますが、それ以外は「関関同立」くらいしか分かりません。自分の住んでいる地域から離れた場所にある大学について、実はあまり知らないと言う人は多いんじゃないでしょうか。

 

何も早稲田や慶応、立命館といったところだけが大学ではありません。皆さんが考えている以上に大学はたくさんあります。

また、大学は4年制のいわゆる「普通」なものだけでなく、東京音楽大学日本体育大学のような一分野に特化した大学、医療・歯科・薬科・看護といった高度な専門性を有する大学、福祉や商科の専門校など、日本の大学は多岐にわたった種類があります。

 

4年制の大学だけが大学じゃない。これを頭に入れて求人を探すと、思わぬ発見があるはずです。

 

 

 

協会のご案内 : 加盟大学案内|日本私立大学協会

これは全国の私立大学が加盟する「日本私立大学協会」のHPにある加盟大学一覧です。これを見ると2014年11月16日現在405校が加盟していることが分かります。見てみると有名な大学から、聞いたこともない名前の大学までずらっと並んでいます。

これら全てが毎年求人をしているわけではありません。それに今後大学という業界は厳しさを増していくことは分かりきっています。在学生が1人になってしまい、苦境に立たされた兵庫県聖トマス大学のような例もあります。安易に大学職員になるのも、正しいと言い切ることは出来ません。

 

ただ、おそらくみなさんが考えている以上に大学は多い。文科省のHPによると全国の私立大学の総数は597校。決して小さな業界ではない。なら、チャンスは必ずあります。

 

 

 

あくまで僕が就活した時の感覚ですが、私大職員の採用は結構遅くまでやっているものです。一般の企業が4月までに採用を決定しようと急いでいるなか、私大職員はそれ以降、夏くらいまでかけてゆっくりと始まる印象でした。また、秋以降も2次採用をする大学は多いです。

 

大学職員を目指す方は、とりあえず大学をググって採用情報を確認してみたらいかがと思います。

 

 

 

僕も職員として働く以上、昨今の大学業界の情報は知っておくべきでしょう。なにか仕入れたらまた報告したいと思います。

 

 

 ちなみに全国の大学総数は、面接でよく聞かれる内容です。知っておいて損はないので、文科省のHPで確認をしておくことをオススメします。

 

 

 

 

 

 

就活のなにが一番つらいって、「何をすべきか分からない」ことだった話

お久しぶりです。今年も残す所2ヶ月ですね。16卒の学生の方々も就活について気がかりになってきたものだと思います。

 

就活は厳しく大変なものです。気持ち次第で楽しめることも出来ますが、それでも大変なことにかわりはありません。いろんな場所に行って話を聞き、喋り、合否を待つ。慣れないことの連続はつらいものです。

 

もちろん僕も大変な苦労をしました。思い返しても非常につらかったです。

でも、何が一番つらかったかを具体的に考えてみると、面接や試験は楽しいものではありませんでしたが、一番つらかったかと言われると案外そうではありませんでした。

 

以前の記事でも触れましたが、よく就活の話題で聞く「面接で人格を否定された」のような圧迫面接も無く、どの企業も穏やかな対応をしてくれました。もちろん不採用になることはつらいことです。でもそれ以上に苦痛を感じることがありました。

 

それは「何をするべきなのか分からない状況になる」ことです。

 

例えば、高校入試や大学入試なら試験範囲というのが決まっていて、やるべきことはただ1つ「勉強」です。

でも就活は違います。面接によって人間を見られる。性格や人となりを採用基準とされる世界です。これは一朝一夕で変えられるものではありません。また、正解と不正解の基準が企業ごとにあるため、A社で正しかったことがB社では間違ったことになる可能性がある。

 

就活が学力試験だけならば勉強をしてればいい。それだったらただひたすらに勉強してれば報われます。しかし就活は人間を見られる。コミュニケーション能力とか言う判断基準が至極曖昧なものに対して戦うことになる。だったら今更何をすればよいのか。

 

 

 

企業を受けるにあたって、やるべきことはもちろんあります。筆記試験対策をし、面接までこぎつけたら企業研究や自己PRを磨く等を行います。

そうやって対策を立てて1次面接をうけます。見事通過し、2週間後に2次面接があるとします。

 

さて、自分は2次面接に向けて何をすればよいのか。企業研究はHPを穴が空くほど読んだし、志望動機や自己PR、逆質問は1次面接で考えました。一貫性を出すためにいまさら変更はしません。

 

僕はこんな状況に頻繁になりました。なにかやっていないと不安になる性格の僕にとって、2週間後の2次面接までやるべきことが見つからない。これは不安と恐怖が大きくなるには十分すぎる時間でした。

結局、1次面接と同じことを暗記して面接に望み、今度は3次面接に行くことになる。面接が進むたびにプレッシャーは大きくなる反面、それを解消してくれる「やるべきこと」が見つからない。これが最も辛いことでした。

 

 

受験の不安を取り除くには勉強するのが一番です。なにかしら手を動かしていれば不安は和らぐ。その不安を和らげる方法を就活において見つけられなかった。だから不安と恐怖が大きくなる一方です。これが一番つらかった。何かしないと・・・と考えつつ何をすべきかわからず時間が過ぎていく。

 

 

 

面接や試験に対するアドバイスは山ほどあります。僕も耳タコです。けど、この不安の解消法については誰も教えてくれませんでした。

 

 

なんとか乗り越えられた僕から言えることは、しょうもないですが「やれることは大体1次面接でやりきってるから、その状態のままで流されたほうがいいよ」です。

戦う相手も人間であることをお忘れなく。それだけです。

 

 

 

 

 

「新入社員に一番求めることは何か」をいろんな企業で聞いてきた話

お久しぶりです。すっかり寒くなり、嫌でもスーツを着なければならなくなりました。できることならずっとノーネクタイでいたいもんです。いかがお過ごしでしょうか。

 

最近は仕事に慣れた気の緩みからか、小さなミスを頻発してしまう日々が続いています。自分では気を抜いているつもりは全くないのですが、どうも今まで出来ていたものがふとできなくなったりと、肩を落としています。

特に怒られたりはなく、「これも勉強」と言ってくださる先輩方に頭が上がらない毎日です。多少の疲労感が残る日常です。

 

失敗できるのは新入社員のうち、はよく言われることです。実際そうなのでしょうが、こちらとしても期待に応えたい思いはあります。新入社員だからできる事を模索しては失敗しての繰り返しが現状です。

 

 

僕は就活の面接時に、逆質問(「なにか質問はありますか?」と聞かれるやつです。質疑応答とも言います)で必ず質問していた事があります。

 

「貴社が新入社員に一番求めることはなんですか?」

 

この質問をすると、企業が求めている新入社員像が分かります。その企業が今どんな人を欲しがっているのか。どんな性格の人間なら採用しようと考えているのか。それをド直球に明確にする質問だと考えて、企業に問うてました。

 

面白いのは、たとえ同じ企業でも、例えば2次面接と3次面接では全く異なる答えが返ってくることが普通にあることでした。2次面接では「常に活発なこと」と答えておきながら、3次面接では「常に冷静さがあること」と答えられたこともあります。言ってることが違うじゃないか!とツッコミを入れたくもなります。

 

この質問をたくさんしてきて分かったことは、一貫した「求める人物像」の考えのもとで採用している企業はそこまで多くないんじゃないか、ということです。

 

初期の段階の面接で、人事や採用担当が話す「求める人物像」は、会社で決めた定義みたいなもので、会社説明会でも言うようなテンプレート的なものが多いです。しかし徐々に役員クラスの面接になっていくと、初期の段階の説明とは食い違うことが多々ありました。もはや役員クラスは「自分の考え=会社の考え」と思っているのか、個人的に好みな人物像を言っている感じでした。だから食い違いが出てくる。

 

 

企業にしてみれば「会社にはいろんな人がいるんだから当然じゃない」と考えると思います。

でも就活生にしてみれば、「求める人物像はこうだから、一貫してその人物像になりきろう」とするわけです。

 

だから常に活発なことを求めると聞いてカラ元気を出していたのに、最終面接で冷静さが欲しいと言われて混乱し疑念を抱いてしまう。言ってることが違うじゃないか、と。

 

最初に聞いた「求める人物像」を、最後まで信じていいのか。途中で路線変更すべきなのか。その場の空気を読んで必死に対応していました。その苦労も知らずに「最近の就活生は芯がない」「空気ばかり読んでいる」と言われるのなら、企業側こそ現場と上層部の意思疎通も出来ないのかと言いたくなります。

 

このような企業は意外にも多かったです。みなさんも逆質問でぜひ聞いてみて、その答えに翻弄されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ついでに】

本日でこのブログが一周年になりました。アクセス解析を見るとかなりの方々に読んで頂けているようで、感謝の念に耐えません。僕の失敗談やしょうもないアドバイスが役に立つならこれ以上嬉しい事はありません。

今後とも細々と続けていくつもりです。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

就活において夢ほど邪魔なものはない

お久しぶりです。史上最大と言われた台風が続く中、あれほど咲いていた彼岸花も金木犀もいつの間にか見なくなりました。いかがお過ごしでしょうか。

 

最近は定時上がりが続いて、自由な時間が持てることは嬉しい反面、何かやることが見つけられないがために時間を無駄にしている感覚に苛まれています。生活の中で何か目標を持つことがいかに大切か身を持って感じているところです。

 

そんな「目標」。生きていく上で目指すもの。言い換えれば「夢」でしょうか。これを面接で聞かれたことがある人も多いと思います。

 

「あなたの夢はなんですか?」と。

 

僕はこの質問が大嫌いです。70回以上の面接を経験し、答えにくい質問も数多く受けてきた中でも、この質問は本当に頭にくる質問でした。

よくワ●ミやゼ●ショーなどの熱血指導が有名なところで聞かれるイメージが強い「夢」ですが、わりといろんな企業がナチュラルに質問してきました。

 

 

夢を語れというのなら誰にだって出来ます。目標にしている生き方や思想、人物像は誰しもが持っています。

しかしこれは採用面接という状況です。この状況における「夢」は、どのような定義であるのか。子供の頃に言っていた「プロ野球選手になりたい」「お花屋さんになりたい」「宇宙飛行士になりたい」を、この状況で言っていいものなのか。

 

当然、言えるわけがありません。例え子供の頃の夢を今でも諦めずに持ち続けていても、「じゃあなぜ、その夢とは関係のない企業の面接を受けているの?」と聞かれてします。こちらは正直に答えただけなのに、肯定ではなく疑問で返される。理不尽にも程があります。

 

かと言って、「人の助けになる仕事につくことが夢」と語ったところで不満そうな顔をされてしまう。時には具体性がないと言わんばかりに物足りない表情でこちらを見てくる。自分の夢を語った挙句にその態度じゃあ、とてもじゃないけど耐えられません。

 

 

 

 

 

僕は昔から「夢」を語ることが苦手でした。小学生の時から自分が何をしたいのか分からず、プロ野球選手と言ったりしていました。なぜプロ野球選手かというと、そう言うと大人が喜び、納得し、それ以上聞いてこないからです。

 

中学生の時に授業で夢を探すとかなんとかで、たくさんの職業の本を読まされたことをよく覚えています。僕にとっては「夢=職業」という考え方が納得できるものではありませんでした。それでも何か見つけなければならず、学芸員と書いたのを記憶しています。こう書いておけば先生からマルを貰える。それ以上は聞いてこないし、「今は夢(=やりたい職業)はない」と白紙で提出して先生に呼び出されないで済む。そうやって乗り切ってきました。

 

まるで夢がないことは悪いことだと言わんばかりに教育を受けてきた僕にとって、夢は職業と同義であり、目標とする生き方や思想は夢ではないと学んできました。

それでも「いつかやりたい仕事が見つかるだろう」と楽観的に生きていました。そのまま中学を卒業し、高校を卒業し、大学生になった。就職という二文字が現実味を帯びる中で、ふと「やりたい仕事」を振り返った時、そんなものは中学生の時から見つかってはいませんでした。

 

でも、かすかに思い当たることはありました。僕は文房具が大好きで、珍しい文房具を集めては楽しんでいました。

「文房具が好きなのだから、これを作る会社こそ自分にあっているんだ」と自分に暗示をかけるように決めつけて、文具を作ることを夢として就職活動を始めました。

 

しかし、文系学生だった僕が「文房具を設計したい」と言っても、「じゃあなぜ理系に進まなかったの?」と言われかねない。そうなるともう反論は出来ません。働きたい職業と、学びたい学問は一緒でなければいけないのかと憤りも感じます。

 

そうなるともう面接で夢を聞かれても正直に言うことはできなくなります。結局は企業の求める「夢」を語るようになってしまう。いや、そのほうが僕にとって楽なんです。小学生の時から先生にバツをつけられないように夢を選択してきた僕にとって、自分の夢を語るより企業の求める人間像にあった夢を語るほうが、もう恥ずかしい思いをしなくて済む。否定もされずバツをつけられることもない。

 

 

文具業界に就職は出来ませんでしたが、絶望するほど落ち込んだわけでもありません。「文房具を設計したい」という僕の夢は就活用の即席の夢でしたので、さして夢破れることに抵抗はありませんでした。

 

 

今、大学職員として働いていますが、これが僕の夢であったかといえば、やはり違います。「大学職員になりたい」と言う小学生は限りなく0に近いように、夢になる職業ではありません。大学職員に限らずほとんどの企業は夢の対象にならないものであると思います。だから「夢」を聞かれても困る。この職業は夢でもなんでもない。だったら何を答えればいいのか。

 

 

夢=職業という考え方に苦しめられた人もかなりいると思います。就活になるとこの話が現実になって襲い掛かってくる。そこは気をつけてみるといいんじゃないでしょうか。