126社落ち就活生のブログ

14卒の就活生が経験したこと。反面教師にでもしてください。文具業界やオフィス家具業界を中心に就活しましたが、大学職員に落ち着きました。

SHIROBAKOに見る「自分は何がしたいのか」の苦悩について

お久しぶりです。ここ最近は多忙でブログを更新する気力もありませんでしたが、昨日でようやく仕事納めを迎え、最初の1年を無事に終えたので多少の落ち着きを取り戻しました。
 
忙しい中でもアニメのチェックは欠かさない僕ですが、最近はすっかり「SHIROBAKO」の魅力に取り憑かれてしまいました。アニメという仕事を通して成長していく登場人物は、同じく仕事に精一杯取り組む若手の社会人にも響くものがあると思います。
 
特に主人公の宮森あおいは、年齢は違えど僕と同じ社会人1年目なので、その有能さに嫉妬しつつも、同じような苦悩を抱き、必死に社会人として生きていこうと振舞っていることに共感を持ってたりします。
 
あまりこのブログでアニメの話題を出し過ぎるのもどうかと思ったのですが、SHIROBAKOの10話と11話を見て、我慢しきれず文章を書いてしまいました。
 
 
SHIROBAKOは、アニメの制作現場を時にリアルに、時に面白おかしく表現したアニメですが、主人公の宮森あおいを中心とした若手たちの仕事を通した成長物語でもあります。そんな物語の中で、あおいがずっと模索していた「働く上での目標」が強くテーマに表れたのが10話・11話でした。
 
 
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10話の前半は仕事を通してベテランとふれあい、仕事に対する考え方を教えられる場面がメインでした。いまやるべき仕事を片付けことで精一杯なあおいにとって、10年後20年後にどのような仕事をしているか。また何を得ているのか皆目見当もつかない状況でベテランのアドバイスは強く響いたものだと思います。
「続けていれば面白さが出てくる。やりがいも生まれてくる」ということを教えられて、抱いていたモヤモヤが晴れたような様子でした。
 
 
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しかしその後、後輩が同じように仕事で目標が見えず、やりたくもない仕事を続けることに意味があるのかと相談されます。
ここにいる4人はそれぞれ職種も異なれば状況も違いますが、全員がおなじように将来に対して不安を抱いています。「今の仕事を続けてていいのか」「何を目標にすればいいのか」という不安を必死で噛み殺している状況が見えてきます。
あおいは後輩に対し、仕事に対する目標を見つけ出すことが重要だと主張しました。これはあおい自身、目標が見つけられないことの不安があったためでしょう。
 
その後、後輩は勤めていたCG制作会社を退職しました。後輩が先に目標に向かって行動したことを知り、あおいの苦悩は増す一方であったはずです。深く考えることをやめ、とりあえず目の前の仕事に集中しようとします。
 
 
 
 
 
11話では、あおいの就活生時代の様子が描かれています。僕も思わず目をそらしてしまうほど、面接のシーンはかなりリアルな様子でした。(あおい以外は、テンプレ的な就活生イメージの人間でしたが)
 
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ここでもやはり、将来に対する目標、つまり「この仕事を通してどのような人間になりたいか」が全くわからないために、苦悩するあおいの姿があります。ウソでもいいから言ってしまえばいいものを、言えないところがあおいらしいという気がします。
 
 
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面接官に「将来についてもう一度よく考えた方がいい」とアドバイスをされ、結局お祈りをされてしまうあおい。姉からも「前途に希望が持てない若人の姿」と言われてしまいます。
このような経緯があったからこそ、自分のやりたいこと、自分の将来設計について人一倍敏感になっていることが分かります。
 
 
 
 
 
正直な所、将来の目標が明確で、それに正確にたどり着ける仕事をしている新人がいったいどれほどいるのか、というのが僕の感想です。たぶん、そんなに大多数ではないと思います。あおいが抱く苦悩はごく普通のものであり、誰しもが平然な顔をしながら、その不安を押し殺しているはずです。
就活本には「仕事を通してどのような人間になりたいかを考えろ」と書かれています。あくまで仕事は目標ではなく自己実現のための踏み台にすぎない。仕事に就くのではなく仕事の先のことを考えろと平然と言ってきます。
 
正直、たかが20代前半の人間がそこまで考えられるのか甚だ疑問です。「とりあえず何か仕事をして、その仕事の中で目標を見つけ出せ」なら分かります。でも面接官が聞いてくるのは「この仕事を通しての目標」。そんなの、仕事をやってみないと言えるわけがない。
 
就活生の多くはここで悩むと思います。「自分はなにがしたいのか」という疑問が永遠とつきまとう。でも、あおいがそうであるように(僕もそうですが)いざ仕事をしてみても「なにがしたい」なんて簡単に見つかるもんじゃない。むしろ日々の仕事に忙殺されて、いつのまにか答えを見つけることもやめてしまう状況になっていく。
 
あおいは「何がしたいのか」を見いだせずとりあえずアニメの仕事をして、まわりの人々に影響を受けながら答えを探しています。しかし答えを見つけ出すのは容易ではなく、悩み悶える日々が永遠のように続く。しかしベテランの言葉にあるように続けていれば必ず面白さ、やりがいが見つかってくる。ここにあおいは希望を託しているような気がします。
僕も、地味な事務作業を続ける毎日で、悩むことは多いです。これが自分のやりたかったことであるかと言われれば違うと言わざるをえない。しかし仕事は仕事。やりたいとかやりたくないとかではなくやらねばならない。だったらこの仕事の中で目標を決めるしか選択肢はない。それを考えて、ようやく最初の1年が終わりを迎えます。
 
 ですから、就活生この答えを探している方は、深く考えすぎて哲学めいた答えにならないようにしてほしいと思います。結局働き出したって分からないものは分からない。だったら、とりあえず選り好みしないでやってみるのも1つの手段である、と。
 
 
 
今後、あおいがどのような答えを見つけ出すか楽しみです。SHIROBAKOは2クールなので、まだまだ注目ですね。
 
 
 
 
 
 
 (画像はhttp://otanews.livedoor.biz/からお借りしました)