126社落ち就活生のブログ

14卒の就活生が経験したこと。反面教師にでもしてください。文具業界やオフィス家具業界を中心に就活しましたが、大学職員に落ち着きました。

就活において夢ほど邪魔なものはない

お久しぶりです。史上最大と言われた台風が続く中、あれほど咲いていた彼岸花も金木犀もいつの間にか見なくなりました。いかがお過ごしでしょうか。

 

最近は定時上がりが続いて、自由な時間が持てることは嬉しい反面、何かやることが見つけられないがために時間を無駄にしている感覚に苛まれています。生活の中で何か目標を持つことがいかに大切か身を持って感じているところです。

 

そんな「目標」。生きていく上で目指すもの。言い換えれば「夢」でしょうか。これを面接で聞かれたことがある人も多いと思います。

 

「あなたの夢はなんですか?」と。

 

僕はこの質問が大嫌いです。70回以上の面接を経験し、答えにくい質問も数多く受けてきた中でも、この質問は本当に頭にくる質問でした。

よくワ●ミやゼ●ショーなどの熱血指導が有名なところで聞かれるイメージが強い「夢」ですが、わりといろんな企業がナチュラルに質問してきました。

 

 

夢を語れというのなら誰にだって出来ます。目標にしている生き方や思想、人物像は誰しもが持っています。

しかしこれは採用面接という状況です。この状況における「夢」は、どのような定義であるのか。子供の頃に言っていた「プロ野球選手になりたい」「お花屋さんになりたい」「宇宙飛行士になりたい」を、この状況で言っていいものなのか。

 

当然、言えるわけがありません。例え子供の頃の夢を今でも諦めずに持ち続けていても、「じゃあなぜ、その夢とは関係のない企業の面接を受けているの?」と聞かれてします。こちらは正直に答えただけなのに、肯定ではなく疑問で返される。理不尽にも程があります。

 

かと言って、「人の助けになる仕事につくことが夢」と語ったところで不満そうな顔をされてしまう。時には具体性がないと言わんばかりに物足りない表情でこちらを見てくる。自分の夢を語った挙句にその態度じゃあ、とてもじゃないけど耐えられません。

 

 

 

 

 

僕は昔から「夢」を語ることが苦手でした。小学生の時から自分が何をしたいのか分からず、プロ野球選手と言ったりしていました。なぜプロ野球選手かというと、そう言うと大人が喜び、納得し、それ以上聞いてこないからです。

 

中学生の時に授業で夢を探すとかなんとかで、たくさんの職業の本を読まされたことをよく覚えています。僕にとっては「夢=職業」という考え方が納得できるものではありませんでした。それでも何か見つけなければならず、学芸員と書いたのを記憶しています。こう書いておけば先生からマルを貰える。それ以上は聞いてこないし、「今は夢(=やりたい職業)はない」と白紙で提出して先生に呼び出されないで済む。そうやって乗り切ってきました。

 

まるで夢がないことは悪いことだと言わんばかりに教育を受けてきた僕にとって、夢は職業と同義であり、目標とする生き方や思想は夢ではないと学んできました。

それでも「いつかやりたい仕事が見つかるだろう」と楽観的に生きていました。そのまま中学を卒業し、高校を卒業し、大学生になった。就職という二文字が現実味を帯びる中で、ふと「やりたい仕事」を振り返った時、そんなものは中学生の時から見つかってはいませんでした。

 

でも、かすかに思い当たることはありました。僕は文房具が大好きで、珍しい文房具を集めては楽しんでいました。

「文房具が好きなのだから、これを作る会社こそ自分にあっているんだ」と自分に暗示をかけるように決めつけて、文具を作ることを夢として就職活動を始めました。

 

しかし、文系学生だった僕が「文房具を設計したい」と言っても、「じゃあなぜ理系に進まなかったの?」と言われかねない。そうなるともう反論は出来ません。働きたい職業と、学びたい学問は一緒でなければいけないのかと憤りも感じます。

 

そうなるともう面接で夢を聞かれても正直に言うことはできなくなります。結局は企業の求める「夢」を語るようになってしまう。いや、そのほうが僕にとって楽なんです。小学生の時から先生にバツをつけられないように夢を選択してきた僕にとって、自分の夢を語るより企業の求める人間像にあった夢を語るほうが、もう恥ずかしい思いをしなくて済む。否定もされずバツをつけられることもない。

 

 

文具業界に就職は出来ませんでしたが、絶望するほど落ち込んだわけでもありません。「文房具を設計したい」という僕の夢は就活用の即席の夢でしたので、さして夢破れることに抵抗はありませんでした。

 

 

今、大学職員として働いていますが、これが僕の夢であったかといえば、やはり違います。「大学職員になりたい」と言う小学生は限りなく0に近いように、夢になる職業ではありません。大学職員に限らずほとんどの企業は夢の対象にならないものであると思います。だから「夢」を聞かれても困る。この職業は夢でもなんでもない。だったら何を答えればいいのか。

 

 

夢=職業という考え方に苦しめられた人もかなりいると思います。就活になるとこの話が現実になって襲い掛かってくる。そこは気をつけてみるといいんじゃないでしょうか。