今でも思い出したくない、ある面接の話
お久しぶりです。無事卒論を提出し受理され、安堵の時間を過ごしていました。
2月に入り、就活生はだんだんと説明会やESに追われることになってきたと思います。
一般的な企業は4月から面接が始まりますが、外資系などの企業はすでに開始しているとも聞きます。それは企業によって様々です。
僕は面接を70回程度やりました。その中には失敗したり恥ずかしい思いをしたり、嫌な思い出がある面接や質問があります。
その中でも特に思い出したくない面接は、ある製本会社を受けた時の1次面接でした。
初めはどこの面接でもあるように名前や出身学校、自己PRを述べました。
一通り自己PRを話したあと、人事の女性から質問されました。
「もっと自己PRしてくれない?」
まぁこんなことは想定内。用意していた別の自己PRを話しました。すると
「もっと自己PRしてくれない?」
えぇ、ありますとも。3つ目の自己PRを言いました。
「もっと自己PRしてくれない?」
「もっと自己PRしてくれない?」
「もっと自己PRしてくれない?」
・・・・・
結局、最後は「もうありません・・・」と言わざるを得なくなりました。その時の女性(面接官)の満足気な顔は忘れられません。いかにも「その言葉を待っていた!」と言わんばかりの。
「もうありません」と言う時に感じる敗北感に近い惨めさ。自分の良い所なんてこれっぽっちしか無く、限界を思い知らされたような感覚でした。
「結局、問い詰めれば就活生は黙る」といった企業の態度にまんまとはまった気がしました。
ここで面接が終わってくれればまだよかったのですが、その女性からの質問は続きます。
「なぜ、これが自分の長所だと思うの?」
それは過去の経験や試験などから~~と説明します。正直もう気が重い。喋れば喋るほど墓穴を掘る嫌な予感がして、変な汗が出てきたことは覚えています。
一通り説明が終わったあとで、また一言
「なぜ、その経験と長所を話そうと考えたの?」
「なぜ、その長所が仕事で活かせると考えたの?」
「なぜ」
「なぜ」
「なぜ」
・・・・
字面だけ見るとどう見ても圧迫面接ですが、女性の口調は優しく終始なごやかな雰囲気で、圧迫という感じは全くしませんでした。でも、この面接は自分を深くえぐられた気がするものになりました。
なぜ を繰り返すことで本質を見る。たぶん企業の意図はこれだと思います。僕のことをよく知りたいという名目で「なぜ」を連呼したのでしょう。その結果、僕は中身の無い自己PRに気付かされ、もう何も言えなくなるほどまで追い詰められた状況に陥りました。
『明確な動機が無ければ行動してはいけない。一挙手一投足に理由を求められ、問い詰められる。無意識まで言葉にしろ。「気になった」「興味がわいた」は許されない』のか。そんな哲学めいたことを就活生に聞くのかと混乱しました。
面接が終わったあと、外に出た時の淀んだ空気はよく覚えています。どこまでも「なぜ」を言われ、敗北を認めるまで問い詰められる恐怖はいまでもトラウマです。
この面接、合格し2次面接に進むことになりました。ここでやめておけばよかったものの、僕は2次面接を受けることにしてしまいました。その話はまたこんど。