仕事に「やりがい」を求めすぎている友人の話
お久しぶりです。6月になりました。最近はすっかり仕事にも慣れ、業務中にあくびも出てしまう今日このごろです。睡眠はしっかりとりましょう。
先日ある電子機器販売会社に勤める友人と久々に再会しました。その友人はもともとデザイナー志望で、デザイン系の学校で学んでいました。しかし就活が上手く行かず、ようやく4年の3月に内定を得て、5月から働き始めていました。働き始めて1ヶ月ほど経って、積もる話もあるのでしょう。再会というより呼び出された感じでした。
話を聞くと、仕事はかなりつらいそうです。中小企業なので社長の独裁っぷりが滲み出ていることや、覇気のない雰囲気に飲み込まれそうなことなど、いろいろと教えてくれました。
幼なじみといえるほど仲の良い友人なので、つらそうな状況は無視できません。鬱になられたら僕も悲しいです。そこで、何がつらいのか深く聞いて、原因を掘り下げようとしました。
質問を繰り返すと、彼が一番つらいと感じていることは社長の独裁でも残業代が出ないことでもなく、「仕事にやりがいが感じられない」ということでした。
僕は非常に不思議に思いました。電子機器販売の会社と入っても、彼はデザイナーとして採用され、小規模ながらパンフレット制作などに携わっていると言っていました。
「なんだ、希望通りの仕事ができてるじゃないか」と僕は思いました。あまりデザイナーの世界を知らないので僕の解釈がズレている可能性もありますが、少なくとも営業や力仕事ではない。デザイナーらしい仕事を行っていて、なぜやりがいを見つけられないのだろう。
友人ははっきりと理由は言いませんでした。おそらく本人もよくわからないんじゃないかと思います。
「お前はどうなの?」と聞かれました。「仕事にやりがいを感じる?」
僕自身、今の仕事にはかなり満足しています。大学職員という裏方の裏方とも言える仕事を行って、誰の役に立っているんだかイマイチ理解できない事務作業を続ける日々にも、満足感は感じています。
でもこの満足感は「やりがい」とは別物ということは分かります。だんだんと仕事を覚え、先輩に質問しなくても業務をこなせるようになっていく。自分が成長したようなこの感覚。これは満足感です。入社直後だからこそ大量に得られるものだと思います。
じゃあこの満足感が薄れてきたらどうなるか。仕事に慣れ、作業がルーティン化してきたら、それこそ退屈な日々になる。この時にモチベーションを維持できるもの、つまり「やりがい」があるか。それは今のところ「ある」と断言できません。
つまるところ僕も「やりがい」を見つけられないでいる。今感じている仕事に対する満足感が薄れた時、僕はどうなるか、正直怖いとも思います。
でも一方で、そこまで仕事にやりがいを見つける必要もあるのかなぁ?とも思っているわけです。
別に仕事がつまらなくたって、他に楽しいことがあればいい。僕の場合はカメラいじりが好きで、フォトショやイラレをいじって遊ぶことが大好きです。むしろそちらにやりがいを感じてしまっている。
地味に早く帰れる大学職員という職業だからこそ、仕事以外にやりがいを見出してるのが、現在の僕です。もちろん仕事には満足していて、忙しいし出社したと思ったらあっという間に定時になってる。だから帰ってカメラで遊びたい。
やりがい至上主義はやりがいのレベルを自由に上下できる人でないと危険です。
そこまで仕事にやりがいを過剰に求めなければ、結構楽になる気がします。いくらカメラが好きだからといって毎日仕事のように遊んでいたらつまらなくなる。仕事は趣味のための良いスパイス程度に考えたらいいんじゃないか。
とまぁ友人に上記のことを話したわけですが、友人はあまり理解してくれませんでした。仕事に対する考え方は人によるってところでしょうか。それとも「好き」を仕事にしたデザイナーだからこそ仕事と趣味の区別がつかなくなって辛いのでしょうか。
後者なら僕のアドバイスは的外れどころかひどいことを言ってしまいましたね。こんど謝罪かねて食事でも誘います。