たった一言でも、簡単に企業に対して不信感を持ってしまう話
お久しぶりです。清々しい天気が続きます。僕も仕事は今のところ苦痛では無いですが、さすがに外でのんびりとしたいなと思うこの頃です。
先日、就職活動中の現在大学四年の友人と話している時にふと思い出したことです。
この時期になると誰しも知っている超大手企業の採用は落ち着き、中小企業の採用活動が始まります。今まではネットで調べればいくらでも情報が得られた企業が多かったですが、中小企業となるとなかなか情報が得にくいことも多くなると思います。
友人もクチコミで聞いた企業のうわさ話を、眉唾ものであると分かっていながらも参考にせざるを得ない状況を話してくれました。
公式HPくらいしか情報源がなく、みんしゅうを見てもロクなことが書いてない。他の就活生と差をつけるポイントが見つからず焦りを募らせる人も多いと思います。
まさに就活は情報戦といった様子で、どれを信じどれを疑うべきか悩みぬいた挙句、疲弊して疑心暗鬼になってしまうこともあるはずです。
そんな状態でふと言われた一言が深く突き刺さり、いくら企業研究をしても「一言」の先入観が抜けなくなってしまうこともあります。
これは僕も経験しました。
去年のちょうどこの時期に、ある法人向け機械メーカーの企業を受けました。企業規模はさほど大きくなく、まさに中小企業の王道って感じでした。
会社説明会や1次面接では非常に好印象で、誠実かつクリーンな会社だなという印象を受け、内定を貰ったらぜひ入社したいとも考えていました。
そんな中、2次面接に進むにあたり情報収集していると、みんしゅうでこの企業のページを見つけました。
見てみると、あまり目立たない企業のせいか書き込みは盛り上がっていなく、最終更新は数年前でした。
何気なしに眺めていたのですが、ふと、こんなコメントがありました。
「入社した身から言っておく。この企業に入るべきじゃない」
さらに続いて別の人が
「ええ、入社してよく分かりました」
これを見て思わず固まりました。ほとんど企業の情報、特に内部の情報が無い中で、社員と思わしき人から辛辣な書き込みが残されている。
もちろんこれはガセの可能性も十分あります。どこかの就活生が愉快犯で書き込んだことも十分考えられる。
ただ、情報に飢えていた就活生には深く刻まれた言葉になりました。
その後この企業は2次面接と社長面接を受け、内定を得ることが出来ました。しかしあの「一言」が深く刻まれた僕には、「この面接室の奥の部屋で従業員の地獄絵図があるんじゃないか」とも思うほど、疑いの目で見るようになり、人事もとい社長の話を信じられなくなりました。
この企業は結局、内定の受領を待ってもらい、その間に別の企業から内定を得たので辞退しました。
皆さんは「こんなネットの言葉に踊らされるなんてバカだな」と思うと思います。たしかに当時の自分は周りが見えていなかったと言えます。しかし、「こんな一言」にも左右されてしまうほど、就活生は血眼になり必死で情報を集めてます。信じるか信じないかでなく、その「一言」があるという事実だけで心が揺らいでしまうほど就活生は不安定な状況にあります。
企業も就活生も、何気ない一言や書き込みが先入観を生み出し、妄信的な存在を生み出しかねないことがあります。そりゃあ冷静になって考えれば考えすぎだったなとは思います。僕の場合、冷静になるまで1年かかりましたが。
「ネットの意見に流されず自分の考えを持とう」なんて簡単に口に出せません。じゃあどうすればいいんだよと当時の自分に言われます。結局は入社しないと分からない。ならネットでもなんでも使ってやる、と。
余談ですが、ある日本トップシェアレベルの文具メーカーを受けた時、会社説明会で入り口を間違え社員用エレベーターを使いました。その時に掃除のおばちゃんも乗ってきて、僕を見て言いました。
「あなた就活生?」
「はいそうです。今日会社説明会なのですが入り口を間違えまして」
「そう。こんな会社に入りたいの?」
「・・・・・」
会社の至る所を知っているであろう掃除のおばちゃんが言ったこの一言。いまでも忘れられません。