126社落ち就活生のブログ

14卒の就活生が経験したこと。反面教師にでもしてください。文具業界やオフィス家具業界を中心に就活しましたが、大学職員に落ち着きました。

内定辞退について、企業と就活生の溝は深いと思う話

お久しぶりです。だんだんと蝉の声も聞こえなくなり、夜には静かな虫の声が響くようになりました。いくら外の暑さが和らぎ始めたとはいえ、職場では暑さと仕事にヒーヒー言いながら働いている僕です。いかがお過ごしでしょうか。

 

先日、気になる記事を見つけました。

学生の内定辞退 どう防ぐかを考える NHKニュース

 

学生の内定辞退をどうやって防ぐか。それについて人事コンサルタントの人が公演を行ったことについての記事です。対象はもちろん企業なので、就活生にはあまり届かないニュースであるような気もします。

 

僕もこの記事を「どうせ”今の就活生には根性がない”みたいなことが書かれているんだろうな・・・」と思いながら読んでいました。企業と就活生の思考のズレ。結局就活生が悪い立場にされているんだろうな、と思ってました。

 

が、予想以上の内容でした。

セミナーでは、講師の人事コンサルタントが「今の学生は『かまってほしい』と思う世代で、会社からの連絡がないと不安になり、別の会社に興味を持ってしまう」と指摘しました。
そのうえで、「面接で評価した点を学生に話すなど、相手に会社にとって必要な人材だと伝えることが大切だ」と話しました。

 

「思春期の女の子か!」と思わずツッコミを入れたくなる発言です。

 大勢いる就活生がこのように考えているかは分かりませんが、少なくとも就活生であった時の僕は、企業に「かまってほしい」という思考には至りませんでした。

 

この人事コンサルタントは、ネットとかで頻繁に話題に上がる「承認欲求」のことを「かまってほしい」と言い換えているのだと思います。ツイッターや動画サイトで有名になり、自分の存在を広く知ってもらいたい。その思いが強いために、時に犯罪行為までネタとして行ってしまう。たしかにそういう話題は多く、いわゆるバカッター事件が後を絶たないことは事実としてありました。

しかしそれと就活を一緒に考えるのは無理があるのではないでしょうか。会社に入り仕事をすれば、社会人として世間からの承認は十二分に受けられる。今の若者はそれすらも気づかないでネットと現実の区別ができない世代だと思われているのでしょうか。

そうだとしたら非常に悲しいですし、この人は人事コンサルタントとしては若者をバカにし過ぎている気もします。

 

 

まぁ、実際にこのセミナーを見たわけではないので、どのような意図を持ってこの発言をしたのかは分かりません。ただ、就活において「かまってほしい」なんて微塵も考えたことがないというのは僕の本心です。

 

 

いくつか内定を得た時、入社する企業を決定する基準は人それぞれです。僕の友人には公務員試験に合格したけれども、ビジネスマンとしてバリバリ働き、成長したいと夢を抱いて民間企業を選んだ人もいます。何を最終決定の重要項目にするかなんて、人それぞれなのは当然のことです。バリバリと働いてキャリアと高給を得たい人もいれば、薄給でものんびり仕事をしたいと考える人もいます。

 

ただ、同じような業種・同じような企業を選ばなければ行けない時、基準となるのはやはり福利厚生や会社の雰囲気です。

 

ブラック企業の存在が一般常識とまでなった現在、就活生は自分のはいる企業がブラックなのかホワイトなのか血眼で観察し判断しています。ですがネットの情報は眉唾ものだし、人間関係などは実際に働かないと分かりません。となると基準になるのは会社から公表されている情報。つまり年間休日や給料・福利厚生・社員制度です。

 

僕が就活生のときはボーナスがどれくらいだとか、福利厚生がどうとか、よく分かりませんでした。労働法や税金など詳しいことは知りませんでしたが、それでも数多くの会社を見てきたので、他社との比較は容易にできました。「あ、ここは年間休日の書き方が怪しいぞ」のように、なんとなく感づくことが出来ました。

 

就活生は常に必死です。そりゃあ人生の岐路に立たされているのですから、徹底的に疑心暗鬼になるのは当然です。ちょっとでも企業の動向に疑問を見つけたら、懐疑的にならざるを得ない。

企業にはその必死さが伝わっていない気がします(そもそも人事コンサルタントは、この就活生の心情を企業に伝えるのが仕事なのでは・・・?)。 だから「就活生にかまってあげよう」なんてナナメウエの考え方になってしまうのではないでしょうか。

 

 

就活生をナメて、かまってあげようとしている暇があったら福利厚生や社内の風通しを良くするほうに労力を使って欲しい。社内の雰囲気を公表して欲しい。就活生が求めているのは企業からのメールや電話じゃない。

 

 

 

結局、内定辞退の原因を就活生側に見出すことは、魅力がないがために就活生に逃げられていることを企業が認めたくないだけな気がします。そこを改善する気がない限り、就活生に捨てられるままの企業であることは変わらないでしょう。

 

 僕は4社の内定を得ましたが、最終的には大学職員かメーカーの2社からの選択になりました。ものづくりに対する憧れはあったものの、福利厚生や諸内容を踏まえて、現実的に働きやすそうな大学職員を選びました。この選択は僕にとっては正しい選択ですが、別の人にとっては間違った選択にもなります。要はひとそれぞれ。頼むから企業は余計なことをしてくれるなと思うばかりです。