126社落ち就活生のブログ

14卒の就活生が経験したこと。反面教師にでもしてください。文具業界やオフィス家具業界を中心に就活しましたが、大学職員に落ち着きました。

面接NGワードとしての「人生観」

 

暇を持て余している僕ですこんにちは。就活中はあんなに時間が欲しかったのに、いざ自由な時間が手に入ると何もできなくなるヘタレです。みなさん説明会で忙しい(であろう)なかいかがお過ごしですか。

 

まだ時期的に面接は少ないと思いますが、それでも面接に対する不安や恐怖心は非常に大きいものだと思います。何を聞かれるのか、何を話していいのか、皆目検討もつかないのではないかと悩んでいる状況かもしれません。

 

僕はある程度面接を受けた中で、やはり他の就活生が話す同じような内容の自己PRや経験談を何度も聞いてきました。そのなかで、どうも言わないほうがいいんじゃないか?と思ったセリフがあります。それは

 

「人生観」

 

です。この言葉、わりと汎用性がきくのか多くの人が話していました。この言葉を使う就活生は大体が被災地や海外での経験とセットで話すことが多かった(というよりそれしか聴きませんでした)気がします。

 

僕がこの人生観という言葉を面接で使わないほうがいい、つまりNGワードと考える理由は、その程度で180度人生観が変わったと容易に断言できることに対して胡散臭さを感じたためです。要は深夜の通販でやっているような、従来品と比べ汚れを倍以上落とす洗剤の謳い文句と同レベルのように聞こえるためです。

 

「人生観」という言葉を使うと、二言目には必ず「変わった」と続きます。被災地の厳しい現状を見たり、海外の異文化に触れることで未知の世界を知るきっかけになったと就活生は言います。学生のうちに未知の世界に触れることは大いに結構なことです。良く言えば行動力があり知識欲も旺盛であり、悪く言えばテンプレそのものです。

 

ただ、僕はどうしてもこの就活生が言う「人生観」に胡散臭さを感じてしまいました。それは「変わる前の人生観はどんなものだったのか」に全く触れていないためでした。

 

 

そもそも、たかが20年ちょっとしか生きていない僕らが持つ人生観とはなんなのか。それを考えると、僕はさっぱり思いつかないというか、言葉にできません。何かに専門的に取り組んできた職人でもなければ、サバイバルで生き残った人間でもない。ふつうに義務教育を終えたあと4年間の比較的自由な時間を過ごしてきた僕らに、そもそも人生観はあるのか。僕は分かりませんでした。だから、「人生観が変わった」と言う人に対して、「変わるほどの人生観を本当に持っていたのか」と思ってしまいます。まだ真っ白だった人生観に、ボランティアや異文化交流で色を塗り、そこで自分の人生観を作り上げたという説明なら納得できます。でも、まるでボランティアで人生観が180度変わってしまったと言う人は、もともとその程度の人生観しか持ち合わせていないことを宣言しているとしか思えない。ボランティアしたことは確かにすごいし賞賛すべきことです。でも今後働き始めたらボランティアよりももっと想像もつかない未知の世界がある。そのたびにこの人は人生観が変わるのか。そしたら落ち着きのない、軸のぶれやすい人だなと思われても仕方ありません。

 

 

僕はこのことを考えて以降、人生観という言葉は使わないようにしてきました。もし面接官に「じゃあ変わる前の君の人生観はどんなものだったの?」と聞かれても答えられません。たかだか20歳ちょっとの青二才の人生観は、面接官から見たら白紙のノートみたいなもんじゃないか、と。

 

 

在学中に(今もそうですが)富士山に登ったり、屋久島の縄文杉を見たり、東北の被災の現状を見てきたりしました。しかしどれも人生観を変える経験になったとは思えませんでした。それどころかようやく、変えることの出来る人生観を作り出していると考えています。きっと今後働き始め、日本社会の光と影を知り、体に染み付いたところで海外や未知の世界に出ることで、ようやく人生観は変わる、いや変えられる。

僕はそう思っています。

 

みなさんも面接でふとした言葉を面接官に突かれることがあると思います。言葉は慎重に選び、根拠を聞かれても説明できるよう準備すれば、落ち着いて対応できると思いますよ。